かためねこ。

片目の子猫を拾いました。この子との毎日の生活や色々なことを書いていきます。

カタメネコと出会う。

一昨日、伏見稲荷の山へお礼参りに行った。

うちにはトマトという食いしん坊で元気な茶トラの猫がいる。トマトはとても寂しがり屋で、いつか家計に余裕ができたらモッツァレラという白猫を飼いたいねと相方と2人でよく話していた。トマトとモッツァレラ。

通称、もっちゃん。
もっちゃんは白くてフワフワでお上品な女の子の設定だ。

相方(今後はなかのちゃんと呼ぶ)は機嫌がいいと少しふざける性格でお狐様の顔をした絵馬に私とトマトともっちゃんが健康でありますようにと書いていた。まだいないのに書いていいのと笑いあって山を登る。

お礼参りも無事に済んだから下山しようとしていたら、途中の茶店の隅に子猫が丸くうずくまっていた。見ると無残に片目が腫れ上がっていて下を向いたまま微動だにしない。

通りすがりの人たちは口々に汚いとか、近づく子供にうつるから止めときなさいと言っていた。
茶店の店主は奥からぬらりと出てきて、薄笑いを浮かべていて、その目は放っておけと言っている。

どうしたものか。
旅行で来ているだけの私たちには何もできない。
でもこのままではこの子は数日のうちに死んでしまうだろう。

かわいそうだけど、仕方がない。もう行こうとして振り返るとなかのちゃんの足元に、今まで動かなかったカタメネコがそっと近寄ってきていた。

その様子を見てすぐに決めた。
先のことはわからないけど、とりあえずこの子を病院に連れていこうと。
買ったばかりの伏見稲荷特製の手ぬぐいと登山で汗を吸ったタオルにカタメネコを包んでなかのちゃんのトートバックにそっと入れた。目からは膿が溢れている。可哀想で直視できない。

お盆でどこの動物病院も休みだった。
土地勘もないこの場所で見つけられるかと焦った。期待はしてないが困っていたので京都に里帰り中の同級生にLINEした。返信はない。。
指の汗でiPhoneの画面が滑る、滑る。
電話帳で見つけた何軒かに電話して、少し離れた街に休みでも空いてる病院を見つけた。

逃げるように神社を後にして電車に飛び乗る。一刻も早く着いてくれと願いながら。

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→その2へつづく。